Mac での文字入力はこれまでずーっと Google 日本語入力を使ってきたんですけど、El Capitan で導入されたライブ変換を試しに使ってみたら、よさそうな感触で。本格的に試してみようと思ったのですが。
個人的なこだわりで、日本語を入力している時に、スペースが全角になるのが許せなくて…。
メジャーどころの入力システムは、日本語入力中のスペースを全角にするか、半角にするか、設定で選択できるのですが、昔から Mac ではそれができないのです。
しかも Yosemite からことえりに代わり新しい日本語入力システムになって、昔ながらの方法では変更できなくなっていました。挙句、Rootless の影響で El Capitan では、さらに面倒なことに…。
OSX – OS X El CapitanのJapaneseIMの日本語入力で常に半角スペースを入力する – Qiita
基本的には、こちらを参考にさせていただいたのですが。いかんせんプログラミングとかができるわけではないので、Vim とか聞いたことはあれど意味不明な世界で。
ここに書いてあることだけでは解決できなかったので、次に設定しなくてはいけなくなった時のために自分なりの手順をメモしておこうと思った次第です。
Mac の日本語入力システムの半角 / 全角 スペースについて
通常、Mac の JapaneseIM で日本語入力中は、
- 「Space」で全角スペース
- 「Shift + Space」で半角スペース
となります。
日本語入力中も半角にすることはできますが、その場合スペースキーだけでなくわざわざ「Shift + Space」と打つ必要があります。
これが基本的に半角スペースしか使わない者にとっては、非常に煩わしいといった具合です。
そこで、デフォルトを半角スペースにして、Shift + Space を全角にしたいのです。
デフォルトを半角スペースにする!
手順としては。
- 「KeySetting_Default.plist」or「KeySetting_Windows.plist」のバックアップ
- リカバリモードで Rootless を無効化
- Mac 上で「KeySetting_Default.plist」or「KeySetting_Windows.plist」の編集
- 再びリカバリモードで Rootless を有効に戻す
- ( Rootless が有効になっているか確認する )
こんな流れになります。
1. 何はともあれバックアップ
絶対に失敗しない、不測の事態も起きないと言い切れる時以外は、ことにあったっては必ずバックアップをとります。
これから編集するのは「KeySetting_Default.plist」もしくは「KeySetting_Windows.plist」というプロパティリストです。
場所は「/System/Library/Input Methods/JapaneseIM.app/Contents/Resources」
これを Finder で「Shift + Command + G」と打って出てきたダイアログにコピペして「移動」をクリックすると一発で移動できます。
移動したら「KeySetting_Default.plist」or「KeySetting_Windows.plist」もしくは両方をどこかにコピーしてバックアップしておきましょう。
「KeySetting_Default.plist」と「KeySetting_Windows.plist」のどちらを編集するかは、「Windows 風のキー操作」にチェックを入れているか否かで変わります。
「Windows 風のキー操作」にチェックを入れているか、いないか、わからない場合は、設定を開いて「キーボード > 入力ソース」で確認できます。
- 「Windows 風のキー操作」にチェックを入れていない「KeySetting_Default.plist」を編集
- 「Windows 風のキー操作」にチェックを入れている「KeySetting_Windows.plist」を編集
2. Rootless を一時的に無効化
El Capitan で導入されたセキュリティシステム、SIP (System Integrity Protection)、通称 Rootless を一時的に無効にします。
Rootless を無効にするには、Mac をリカバリモードで起動します。Mac をリカバリモードで起動するためには、起動時に Command + R を押して起動します。
起動できたら。
メニューバーのユーティティから「ターミナル」を起動。
そして
1 | csrutil disable |
と入力して、実行してください。
これで、Rootless が無効になり「KeySetting_Default.plist」と「KeySetting_Windows.plist」の編集が可能になります。
そして Mac を再起動。メニューバーのリンゴマークから普通に再起動してください。
3. 「KeySetting_Default.plist」or「KeySetting_Windows.plist」の編集
再起動できたら、またターミナルで作業します。慣れていないと骨が折れる作業ですね。
ターミナルは「/Applications/Utilities/Terminal.app」にあります。
ようやく本題です。ターミナルを起動できたら。まず以下のコマンドの入力です。コピペしてください。
キボードの設定で「Windows 風のキー操作」にチェックを入れていない場合
1 | sudo vim "/System/Library/Input Methods/JapaneseIM.app/Contents/Resources/KeySetting_Default.plist" |
キボードの設定で「Windows 風のキー操作」にチェックを入れている場合
1 | sudo vim "/System/Library/Input Methods/JapaneseIM.app/Contents/Resources/KeySetting_Windows.plist" |
ここで「全角」と「半角」を入れ替えてやれば OK です。
しかし、ここで私はつまずきました。理由は Vim の使い方が解らなかったから…。Vim を扱える方は、4 に進んでください。ここからは私自身と私のように Vim が扱えない方のためのメモ。
こちらを参考にさせていただきました。
penguin’s HP : viを使うときに最低限必要なコマンド
簡単にまとめると。
- 編集モードに移行 “i”
- 編集モードからコマンドモードに戻る “esc”
- 変更を保存せずに終了 “:q!”
- 変更を保存して続行 “:w”
- 変更を保存して終了 “:wq”
今回の作業では、「i」「esc」「:wq」だけ使えれば OK です。
先ほどの「sudo vim 〜」のコマンンドで Vim が開いたら、「i」で編集モードに入って、全角と半角を入れ替えたら、「esc」でコマンドモードに戻って、「:wq」で変更を保存して終了すれば完了。
私はなんとなく編集後の「KeySetting_Default.plist」と「KeySetting_Windows.plist」もバックアップしておきました。
4. Rootless を再有効化
ことが済んだら、Rootless の設定を元に戻して有効にしておきましょう。
さっきと同じ手順で、Mac をリカバリモードで起動し、ターミナルを起動したら、今度は。
1 | csrutil enable |
を実行して Rootless 有効にします。
そして再起動したら完了。
5. Rootless が有効になっているか確認する
Rootless は有効になっているのか、無効になっているのか GUI で確認できないので。慣れないコマンド操作をして少し不安が残ります。そこで作業後は、ちゃんと元通りになっているか確認しておきます。
今度は、Mac を起動してからターミナルを起動して、以下のコマンドを実行します。
1 | csrutil status |
「System Integrity Protection status: enabled.」と表示されれば、OK。
参考
OS X 10.11 El Capitanのシステム保護機能「Rootless」を無効にするcsrutilコマンドの使い方。
少し面倒なステップを踏まなくてはいけませんが、以上で終了です。
おまけ
ちなみに、Yosemite の場合は、Rootless は関係ないので「3. 「KeySetting_Default.plist」or「KeySetting_Windows.plist」の編集」だけ実行すれば OK です。
さらに余談ですが。Mavericks 以前の「ことえり」で常に半角スペースにするには。ターミナルで以下のコマンドを実行すれば OK です。
1 2 | defaults write com.apple.inputmethod.Kotoeri zhsy -dict-add " " -bool no killall Kotoeri |
元に戻すときは。
1 2 | defaults write com.apple.inputmethod.Kotoeri zhsy -dict-add " " -bool yes killall Kotoeri |
です。
まとめ
主要な入力システムは、こんなことしなくても GUI でチェックボックスをポチッとすれば、半角にできるので、Mac もそのようにして欲しいところですが。昔から全然そうなっていないので、望みは薄いように思います。せめて Rootless を解除する方法があってよかった。
これで El Capitan の JapaneseIM に絶対に許せないことがなくなりました。ライブ変換を堪能してみようと思います。
macOS Sierra ではこちらを参考にしてください。
High Sierra はこちらをどうぞ。